『5大栄養素』のうちの一つ『脂質』についてお勉強しましょう
脂質…油のことでしょ?ボクは揚げ物が大好き!
特にお魚のフライには目がないんだあ🐟
でも、揚げ物はあんまり食べちゃダメなのかなぁ?
脂質の特徴と種類
脂質、脂肪酸の特徴
『脂質』を構成する主要成分は脂肪酸です。
体内で燃えにくい性質があり、1g当たり9kcalのエネルギーを生み出します。
脂質は、体の中で細胞膜などの構成成分や血液成分となり、ホルモンなどをつくるのには欠かせない成分です。
食物として摂取する脂質の大部分は油脂であり、一般的に、常温で個体のものを「脂」、常温で液体のものを「油」と言います。
脂から分解される脂肪酸を飽和脂肪酸と言い、動物の油に多く含まれる酸化しにくい動物性脂肪です。
油から分解される脂肪酸を不飽和脂肪酸と言い、植物の油に多く含まれる酸化しやすい植物性脂肪です。
飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の特徴と種類
🔶飽和脂肪酸の特徴
主に、肉の脂身、鶏皮、乳製品などの動物性食品やパーム油に含まれ、エネルギー源となります。
飽和脂肪酸を過剰に摂取すると肥満や高LDL(悪玉)コレステロール血症を招き、心筋梗塞などの循環器疾患の発症のリスクを高めてしまいます。
🔶おもな脂肪酸
酪酸・ラウリン酸・ミリスチン酸・パルミチン酸・ステアリン酸
🔶不飽和脂肪酸の特徴
動脈硬化の原因となるLDL(悪玉)コレステロールを減らし、動脈硬化の予防に役立つHDL(善玉)コレステロールはそのまま維持させる性質があります。
体内で合成出来ないため、摂取する必要がある必須脂肪酸はこれに含まれます。
🔶おもな脂肪酸
オレイン酸・リノール酸・γ-リノレン酸・アラキドン酸・α-リノレン酸・EPA(エイコサペンタエン酸)・DHA(ドコサヘキサエン酸)
必須脂肪酸は食べ物からの摂取が必要
体内では合成されないため、食物から摂取しなければならない脂肪酸を必須脂肪酸と言います。
リノール酸、、アラキドン酸、α-リノレン酸、EPA、DHAのことで、植物の油に多く含まれています。
必須脂肪酸は、プロスタグランジンなどの材料となり、血中コレステロール濃度を低下させる効果があります。
プロスタグランジンとは?
人体の多くの組織や器官に依存し、さまざまな役割を担っているホルモンのこと。
血小板の凝集を抑え、血管を拡張させ血流を増加させる作用を持っています。
⚠️n-3系(オメガ)脂肪酸の注意点⚠️
α-リノレン酸を多く含むえごま油やしそ油や亜麻仁油などのn-3系脂肪酸は、体にうれしい作用をしてくれる反面、酸化安定性が低く、他の食用植物油脂よりも早く劣化することがわかっています。
開封したら早めに使い切り、高温で熱することはせず、お料理にかけるなどそのまま使う油として利用しましょう。
酸化された油は、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞、認知症などにもつながってしまう可能性がありますので、意識して食生活に摂り入れましょう!!
脂質って、ボクらの体にとっても大切な役割があるんだね
脂質は私たちの体を作るためにとても大切な栄養素なのよ。
でも食べることに必要な注意点もあるの。
続けてお勉強してみましょう。
コレステロールの特徴
コレステロールとは?
コレステロールは血液中の脂質の一種で、細胞膜やホルモン、胆汁酸やカルシウムの吸収率を上げるためのビタミンDの材料となるなど、体に必要な物質です。
本来は一定量に保たれているコレステロールが過剰になると、動脈硬化による「心疾患」や「脳梗塞」、また不足すると血管がもろくなり、「がん」「肺炎」「脳出血」を引き起こすなどの『脂質異常症』と呼ばれる状態になります。
LDLコレステロール:悪玉コレステロールとも言い、肝臓から送り出されて血管の内壁に付着し、動脈硬化を引き起こす原因となります。
HDLコレステロール:善玉コレステロールとも言い、体内で不要になったコレステロールや、血管の内壁に付着した悪玉コレステロールを除去して肝臓に運びます。
生活習慣改善でコレステロールや中性脂肪をコントロールすることが大切
脂質異常症にならないためには、日頃の生活習慣を改善することが第一です。
コレステロールと並んで「中性脂肪」という言葉もおなじみでしょう。
中性脂肪も同じくエネルギー源として使われますが、使われず余った分は皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。
こうして脂肪組織に蓄えられた中性脂肪のことを一般に「体脂肪」と呼んでいます。
お腹周りに脂肪がたっぷり付いていませんか?そんなあなたは、健康診断での中性脂肪の数値が高くはないですか?…
🔺暴飲暴食を止め、一日の摂取量を適切にするように心掛けましょう。動物性脂肪を控え、青魚などの魚を選び、野菜やきのこ類、海藻なども積極的に摂り入れましょう。
🔺長期的に継続出来る運動を行いましょう。多少負荷をかけた(階段や坂を上るなど)ウォーキングで、少し汗ばむ程度の運動などがおすすめです。
🔺喫煙は動脈硬化を高め、中性脂肪を増やす作用やHDLコレステロールを減らす作用が知られています。危険性を下げるためにもぜひ禁煙を!
⚠️なお、脂質異常症の中には少数ですが「家族性高コレステロール血症」という遺伝によるものや、肝臓病や糖尿病、甲状腺機能低下症などの病気が原因となって起こるものもあります。
脂質が不足すると
脂質の摂取を控えることに気が向きがちですが、不足してしまうと日常生活に影響が出てくる可能性があり、注意が必要です。
🔻エネルギーの不足から疲労しやすくなります。
🔻体内に入ったウイルスや細菌などから自分の体を守る免疫力が低下するため、病気を引き起こしやすくなります。
🔻脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)が吸収されにくくなるため、体の調子が悪くなる可能性があります。
トランス脂肪酸の特徴
「トランス脂肪酸」という言葉を見聞きしたことがありますか?
不飽和脂肪酸に属する脂肪酸です。
「トランス脂肪酸は体に悪い」というイメージを持っている方も多いでしょう。
具体的に「トランス脂肪酸」とはどのようなものかを見てみましょう。
トランス脂肪酸とは?
トランス脂肪酸は、天然のものと工業的に生成されるものに分けられます。
牛、羊、やぎなどの反すう動物(4つの胃を持つ)の体内では、胃の中の微生物の働きでトランス脂肪酸が作られます。
そのため、牛肉や羊肉、牛乳などの乳製品には天然のトランス脂肪酸が含まれています。
一方、工業的なトランス脂肪酸は、液状の不飽和脂肪酸を固形の飽和脂肪酸に加工する「水素添加」という過程において、副産物として発生します。
工業的なトランス脂肪酸は、マーガリンやファットスプレッド、ショートニングなどの植物性油脂に比較的多く含まれており、菓子パン、ケーキ、インスタント麺、ファストフード店の揚げ物などに使われています。
製造元企業の努力により、工業的トランス脂肪酸脂肪酸の含有量は減っている傾向にあるようですが、時には商品の原材料にも目を配り、自分がどういう材料で作られた商品を食べているのか知ってみることもいいかと思います。
トランス脂肪酸の過剰摂取による悪影響
🔻肥満
🔻冠動脈疾患
冠動脈疾患は、心臓に十分な血液が供給されないために生じる病気で、動脈硬化による狭心症、心筋梗塞が該当します。
トランス脂肪酸にはLDLコレステロール(悪玉コレステロール=動脈硬化促進)を増やし、HDLコレステロール(善玉コレステロール=動脈硬化抑制)を減らす働きがあります。
天然のトランス脂肪酸が動脈硬化との関連性が認められていないのに対し、現時点で脂質に影響して冠動脈疾患を引き起こすことが分かっているのは工業由来のトランス脂肪酸だけです。
食品に含まれる成分をよく知り、自ら選択していくことが大切ですね。
世界保健機関(WHO)をはじめアメリカなどの国や機関では、トランス脂肪酸の摂取量を総摂取カロリー(総エネルギー摂取量)の1%未満に抑えることが推奨されています。
日本人一人当たりのトランス脂肪酸の摂取量は、総エネルギー摂取量の0.6%程度となっており、少ない傾向ではありますが、普段から脂質の多い食事をしている場合は注意が必要です。
今回は『脂質』についてお勉強してみました。
いろんな油があって賢い選択をしながら適量を摂り入れることが大切なことがわかりましたね。
体にいい油を選ぶことが大切だね!
お母さんに晩ごはんはお魚のフライをリクエストしよう!
やっぱり、体にも良くておいしい揚げたてが一番だね💛
次回は「たんぱく質」についてお勉強してみましょう
いよいよお魚にたくさん入ってる「たんぱく質」の回だぁ
楽しみだなあ・・・🐟
「たんぱく質」は動物性と植物性があるからお魚ばかりじゃないんだけどなぁ😅
最後までお読みいただきありがとうございました😊🍀
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